1950年台に生産された、今は幻といわれるほど貴重なフィンランドのAtelier Fauni(アトリエファウニ)のトロールの中でも希少価値の高いムーミンシリーズの「スノークのおじょうさん」。目はガラス、顔と足は天然皮革、体は羊毛で一つ一つで作業で制作されています。詳しい経緯は定かではありませんが、ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンがアトリエ・ファウニのひとつひとつ丁寧に手作りされた人形たちをとても気に入り、公式に許諾したといわれています。その人気は、フィンランドの老舗デパートとして今も有名なストックマンでの販売が告知されたときには、事前予約のために長い行列ができ、棚に並ぶ前に完売してしまい、長く欠品が続くほどだったとか。1956年には、デンマークの首都コペンハーゲンで開催された北欧首都展覧会で展示されて世界中に紹介された、という記録も残っています。1971年にAtelier Fauniは事業を終了しているため、生産もその時点で終了しています。また、当時は子供用の人形として販売をされていたこともあり、綺麗な状態で存在しているものは非常に少ないとされています。
ブランド/Atelier Fauni
サイズ:H:165mm W:110 D:110mm
製造国:フィンランド
年代:1955-1971
状態:全体的に皮・羊毛部分に経年での劣化が若干みられますが不安定な要素がなく自立します。左手部分の皮に茶染みがみられます。尻尾の先にあるであろう毛とそこに装飾されていたはずであろう蝶々は紛失しています。足裏の皮にはAtelier Fauniのサインが残っています。
【Atelier Fauni】
アトリエ・ファウニ(Atelier Fauni) は1952年、ヘルシンキ郊外のヤルヴェンパーという町で誕生しました。フィンランド人テキスタイルアーティストのヘレナ・クウシコスキ(Helena Kuuskoski)という女性が、ハンドメイドで人形作りを始めたのが創業のきっかけ。夫のマルッティ(Martti)は役者で、収入が不安定だったため、生活を支えるためだったといわれています。ヘレナが当初手がけていたのはオリジナルのトロール人形。北欧の民話に出てくるようなずんぐりしたけむくじゃらのトロール、鳥や動物のような姿のもの、きのこをモチーフにしたキャラクターなど、さまざまな種類の人形があったようです。最盛期には従業員数も200人以上に増え、100万体の人形を生産して、主に海外に輸出していたといわれています。まだフィンランドが今より豊かではなかった当時、アラビアの陶磁器やマリメッコのファブリックと肩を並べる輸出品のひとつだったことが忍ばれます。アトリエ・ファウニのフィンランドの工房は1971年に閉鎖され、ムーミン人形の生産もそこで終わりました。現在はアメリカに拠点を移して生産を続けているようですが、もちろんムーミン人形は作られていません。
【ヴィンテージ品について】
こちらの商品はヴィンテージ品です。経年による微細な傷や染み、チップ(欠け)や気泡の混入やカトラリーによる擦れ痕、釉薬のムラ等のヴィンテージ品特有の風合いが見られる場合がございます。商品の状態をよくご確認の上ご購入をお願いいたします。気になる点などはお気軽にお問い合わせください。