Yoshinori Takemura | 竹村良訓の世界
「見ているうちに、どんな色が合うかなんとなく見えてくる。」
千葉県松戸にある陶芸作家竹村良則氏のアトリエを訪れると、素焼きされた器たちと壁一面に配された釉薬のボトルが出迎えてくれる。棚には、膨大にテストを繰り返されたカラフルな釉薬の調合ピースが並ぶ。
竹村氏の器は、素焼きされた作品一つ一つ、その出来上がったフォルムに合わせて色彩が決められる。「素焼きの状態の器を見ているうちに、どんな色が合うかなんとなく見えてくる。」と言って笑い、二つとして同じ色彩のないアートピースを作りあげる。テストピースどおりには色が出ない時もあれば、想像以上の色彩が生まれることもあるという。
鮮やかな色を楽しそうに纏ったマグカップや渋く深い色彩の大皿、ずっと見ていたくなるほどに愛おしい豆皿、アートピースとして存在感を放つフラワーベースなど、その特有の世界観に国内外の多くの人が魅了されている。パリ、NY、イギリスにオーストラリア、台湾など軽やかに世界を旅する竹村氏の作品の今後も注目したい。
<略歴>竹村良訓
【陶芸家・修復家】
経歴
1980 千葉県に生まれる
1999 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 入学
本科で木工(&漆芸)を専攻する傍ら、サークル活動で陶芸に出会う
2003 同校 卒業
2003 東京芸術大学大学院 保存修復学科(工芸)入学
文化財修復を修め、同時に陶芸学科で古陶磁の研究・復元制作にも努める
在学中に漆芸技法の応用による陶磁器・漆器修復の仕事をはじめる
2005 同校 修了
2008 陶芸教室【陶房『橙』】を開く
以後、展示多数
ミナペルホネン(call&金沢店)、CIBONE(南青山&GINZA SIX)、IDEE SHOP(自由が丘&梅田)、restaurant eatrip、AELU等での常設販売 新宿高島屋、新宿伊勢丹、IDEE SHOP等での個展・グループ展など多数
現在は陶芸作家、陶芸教室経営、修復家として活動中