Koralli

Arabia

コラーリ

Koralli

フィンランド語で珊瑚を意味するKoralli。淡いベージュのベースカラーに優しく柔らかく描かれるスモーキーピンクの花が美しい作品です。ARABIAを代表するといえるふたりの女性デザイナーUlla Procope、Raija Uosikkinenによって手掛けられ、1980年代に4年間のみ製造された稀少なプロダクトです。その完成度の高いデザイン&デコレーションが近年において世界的な人気となっています。

designer

Ulla Procopé

ウラ プロコッペ 1921-1968・Finland


ヘルシンキで誕生したウラプロコッペは、少女時代をスペイン国境の南欧で過ごしヘルシンキの芸術学校を卒業とともにARAIBA社にて陶器デザインと装飾絵付けを専門とし、47歳という若さでこの世を去るまでARABIA社に大きく貢献したデザイナーです。
彼女のプロダクトデザイナーとしての成功の根幹には、モデルメーカー、工場の研究所、および窯のスタッフとの協力体制によるものと言われています。商業的観点と美しい装飾・絵付けの両軸から陶器制作にアプローチし、仲間たちとともに非常に多くの優れた作品を創作します。ARABIA社の名作として愛され続けるValenciaシリーズは、コバルトブルーのハンドペインティング作品として最も有名となり、大量生産のユーティリティウェアで初めてマット釉薬を使用し、人気を博したRsukaシリーズのも彼女の大きな功績と称されています。
第二次世界大戦後の戦後復興期において、「Vackrare Vardagsvara(美しい日常)」という言葉がフィンランドを支えます。その言葉のように、ウラプロコッペ人々に日常に溶け込む美しい陶器を多く手がけたのかもしれません。カイ・フランクらとともにARABIA社の黄金期と呼ばれる時代を支えた才能にあふれるデザイナーの1人です。

designer

Raija Uosikkinen

ライヤ・ウオシッキネン 1923-2004・Finland


1947年にデザインと造形の学校を卒業後、Arabia社にて絵付けと装飾デザイナーとして従事します。1940年代後半から1950年代にかけ、Arabia社プロダクトに新しい風を吹き込むべきタイミングにライヤ・ウオシッキネンとエストリ・トムラはその重要な役割を担い、大きな功績をもたらしたと言われています。この時期に、ライヤはカイ・フランクがデザインした多くのテーブルウェアの装飾モチーフもデザインします。ポラリスやリネア、ハッタラなどのカイ・フランクがフォルムデザインしたBモデルの食器にあしらわれたモチーフはとても人気があり、遊び心のあるエミリアシリーズも彼女によって手がけられました。1970年代にArabia社が生産を始めたコレクターズアイテムでは、今でも人気のあるカレワラのイヤープレートとクリスマスプレートの2種類のデザインを担当します。ライヤは、そのキャリアの中で可愛らしい花から飾り気のない線まで、100種を越える装飾をArabia社で生み出します。一方で、Toimela Adult Education Instituteとヘルシンキ芸術デザイン大学で指導者としても活躍する、とても才能にあふれる人物であることが垣間見えます。「人を助け、地に足の着いたユーモアあふれる人」と評される彼女の人生観は、とても前向きであったのではないかと推察されます。